NBA史上最高のカリスマ、アレン・アイバーソン自伝

NBA

 NBA史において唯一無二の存在、アイバーソンの半生をまとめた自伝。183センチと小柄ながら得点を量産する実力はもちろん、その圧倒的なカリスマ性のもと世界中の人々は彼の何に魅了されたのか。アイバーソンの生き様から、自分らしさとは何か、それを貫くことがいかに大切かを学べる一冊。

アレン・アイバーソン自伝―もうなにも恐れない (日本語)

アイバーソンの半生は半端ではない

 「体のサイズでプレーしているんじゃない、ハートでプレーしているんだ。」

 強烈な強度をもった彼のハートは、どんな苦境に立たされた場面でも、現実の目の前のことに妥協することはない。

苦しい生活のなか育ててくれた母への感謝

 極度の貧困、ドラッグや売春が日常的な環境でアイバーソンは育った。

「家族のために成功しなければならないと思った。『NBAに入ろうなんて100万分の1の確率だぜ、わかってんのか、おまえ』ってみんなに言われた。でもオレは言ってやった。『そんなこと言ってられるかよ。オレが成功しなかったら・・考えただけでゾッとする』って」

「オフクロのことはいつも尊敬してきた。オレのロールモデルはスポーツ選手なんかじゃなくて、いつだってオフクロだった」

 どれだけ大変な生い立ちだったかは本で詳しく語られていますが、無実の罪で数ヶ月監獄されたりと、本当に凄まじいです。100人の子供がいたとして、誰一人アイバーソンのように不屈の精神で立ち上がることはできないのではないでしょうか。

 また、この本ではこのようにアイバーソン自らのインタビューのコメントが沢山盛り込まれており、彼独自の魂のこもった語り口調となっているため、とても読みやすいし引き込まれます。

NBAでの活躍と揺るぎない信念

 ドラフト1位指名、毎試合30点を奪取する天賦の得点力。

 その一方で、チーム成績は低迷し、ポイントガードとしてはチームを生かし切れていないといった評価や、メディアからの彼の生い立ちやファッション、言動に対するバッシングは常につきまとっていた。

 ネットでは知られていない数多くのエピソードが満載だが、やはり共通して言えることは、自分らしさを貫く姿勢である。

 2〜3年目のシーズン、先輩チームメイトであるジェリースタックハウスとの確執があった際も「得点力があるのはわかっているがもっと周りを生かしパスをくれ。」と言われた事に対して、これがオレのやり方、の一点張り笑

 確かにこのエピソードは若さと勝利を渇望する気持ちが前に出過ぎた時期でもあるものの、周りに惑わされず自分の考えを貫く強さ、があるからこそ、アイバーソンの唯一無二の輝きがあるのだと思う。

 だって、「ハイハイ、沢山パスするように頑張ります」って簡単に受け入れるようなら、皆が魅力を感じた、アイバーソンらしさ、個性がないですよね。

 その後もラリーブラウン監督のもと、チームリーダーとして、悩みならがらも突き進む姿に、失敗しまくってこそ成長するということを学べます。

 アイバーソンの言葉を借りるならこうです。

「1度目の失敗は失敗とは言わず、同じ過ちをもう一度起こした時に初めて失敗なんだ」

まとめ

 何度でも挫けず起き上がり、自分らしく生きる事の素晴らしさを学べます。

 アイバーソンの言葉を沢山引用していたり、物語が短調ではなくアップダウンが激しいのもあり、とても読みやすく飽きない一冊なので、NBAファンの方は是非、NBA史上最高のカリスマの半生を知り、刺激を受けてみてはいかがでしょうか。

アレン・アイバーソン自伝―もうなにも恐れない (日本語)